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【週刊朝日の過去記事2】 -週刊朝日の掲載記事より-
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38歳の女性、主婦、身長162cm、体重53Kg、初診2001年3月21日、不妊期間7年
不妊症専門施設で原因不明不妊症と診断されクロミッド療法3周期、クロミッド-人工授精(AIH)療法5周期、体外受精(IVF)を4周期受けたが妊娠が成立しなかったので漢方治療を希望して来院した。冷え性、不眠、肩こり、頭痛、軽度の月経困難症がある。
体格はやややせ気味で皮膚の色艶が悪い(虚証)。舌診は乾燥し白い舌苔があり(少陽証)、歯跡がある(水毒証)。腹診は右季肋部に抵抗・圧痛があり(胸脇苦満;少陽、柴胡証)、左下腹部に圧痛があり(■血圧痛;■血証)、心窩部に大動脈の拍動が触知される(臍上悸;虚証)。卵巣機能検査では排卵はしているが卵胞径がやや小さく、卵胞ホルモン(E2)、黄体ホルモン(P4)の分泌量が若干少ない。
加味逍遥散を投与、2ヶ月目で卵巣機能はほぼ正常化し4ヶ月目に妊娠が成立、39週で3150gの男児を正常分娩した。この間、冷え性、不眠、肩こり、頭痛は改善、月経痛も軽減した。
不妊症には当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸の“婦人科御三家”のほか温経湯等も処方される。それらの有効機序は排卵誘発剤と同じ卵巣機能改善作用にある。卵巣機能は体調・ストレス・食事・季節等の生活因子で毎月変化する。原因不明不妊症の多くは周期性卵巣機能不全である。クロミッドは子宮内膜を薄くし(着床に問題)、頸管粘液を減少させる(精子の通過性に問題)不妊作用がある。AIHは元々妊娠率が低い。IVFはリスクとコストが高い。ために安易にそれらの治療を行うべきではなく漢方薬をファーストチョイスとすべきである。漢方方剤は「証」診断によって運用しなければ治療効果は期待できない。また漢方薬の有効性は超音波卵胞径、E2P4検査等で毎月検証しなければいけない。

