不育症・不妊症・未婚生理不順・AIDを専門とする、大阪市中央区の婦人科『カノクリニック・かのクリニック』

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検査

基礎体温(BBT)
不妊症専門施設に受診して最初に指導される検査です。

●左/基礎体温表

一般的には基礎体温によって「排卵の有無」、「排卵日」、「黄体機能」が判明すると考えられてきました。このため正確に測定するように厳しく指導する施設が少なくありません。しかし、最近になってそのいずれも信用できないことが明かになりました。それどころか基礎体温はみなさんを縛りストレスとなって母性保護作用が作動してしまうことがあります。精神衛生的には有害とさえいえるでしょう。基礎体温をはかることで妊娠しなくなる「基礎体温不妊症」も稀ではありません。私は基礎体温は全く信用していません。

基礎体温を計らず診療を進めることもできますが、その場合、見当違いな時期に検査、治療をしてしまう無駄をおかす可能性があります。ですから経済的な意味では計ることは全く無益ではありません。いずれにしても、”いい加減”に計りましょう。

【基礎体温の計り方イロハ】

1)朝、起きた時に測定します。時刻を決める必要はありません。目覚まし時計で正確に計る几帳面な人がいますが、ストレスがかかって「基礎体温不妊症」になってしまいます。最低です。

2)温度計はデジタル体温計(婦人用)で結構です。水銀5分計の方が正確ですが、もともと”あてにならない”ものを計るのですからそんな旧式はいりません。朝の忙しい時に5分も拘束されててはまたまたストレスです。

3)朝寝坊したり、朝のしたくでバタバタする時はさぼって下さい。基礎体温を計らないことに罪の意識を感じる必要はありません。主婦は朝は忙しいのです。

4)旅行や実家に帰るなど自宅以外で就寝する時は測定する必要はありません。旅行に基礎体温表を持参することは興醒めで楽しみが半減してしまいます。基礎体温をサボってリラックスした方がかえって卵の発育は良くなるものなのです。当院では測定を禁じています。

【ホルモン検査】

ホルモン検査や超音波検査は卵(卵胞・卵子)に関わる検査です。卵の発育は先に述べた各種生活要因による母性保護作用の制御を受けるために毎月異なります。したがって、卵関係の検査は毎月行わらなければなりません。

哺乳類である人間の卵は鳥類の卵とは構造が異なりますが、鶏の卵に例えると各種検査の理解が容易です。

鶏の卵は”黄身””白身””殻”の三つの部品から構成されています。下の図を見て下さい。黄身は卵子、白身は卵胞液、殻を顆粒膜細胞と考えればよいのです。いい妊娠をして流産を避けるためには以上の三部品が同時によくなければなりません。


卵に関するホルモン検査としてはエストラジオール(E2)とプロゲステロン(P4)が重要です。前者は卵子を囲む顆粒膜細胞から分泌されます。つまりエストラジオールは黄身の質の検査と考えれば良いのです。ただ排卵すればよいというものではありません。卵子は精子と受精して子供になる訳ですから卵子がよくなければ子供の”でき”が悪くなります。そのような意味ではエストラジオールは不妊症のなかで最も重要な検査といえるでしょう。エストラジオールの適正測定日は排卵直前で、正常値は100〜500pg/ml(成熟卵胞1個あたり)です。

『コメント』

エストラジオール値の公式な正常値は決まっていません。したがって各施設によってバラバラで教えてくれないこともあります。正常値は私のクリニックで妊娠して生児を分娩した人の妊娠周期のエスラジオール値から算出しました。次のプロゲステロンも同じように正常値を決めました。300以上、500以上、時には1000以上と説明する施設もあります。数字が大きな施設はhMG等の排卵誘発剤を多用しているところが多いようです。私のクリニックでは妊娠者の半数が漢方薬単独での妊娠ですので低値なのだと考えています。


プロゲステロンは排卵した後に卵の殻(顆粒膜細胞)が黄体化して分泌されます。プロゲステロンは子宮内膜を分泌化します。胚が着床しやすいように柔らかくして栄養豊かにするのです。俗な言葉で言うなら”畑を耕して栄養豊かに”するのです。プロゲステロンの適正測定日は黄体中期(BBT高温5〜8目)で正常値は15〜30ng/ml(排卵1個あたり)です。

【超音波検査】

●上画像:人間の卵

通常、経腟式で卵胞径を測定します。卵の”白身”の大きさを計ることになります。したがって卵胞径が大きければ卵がいいとはいえません。赤ちゃんになるのは黄身に当たる卵子です。卵胞径が大きければ良質な卵子が入っているとは限りません。女性が高齢化すると入っていないことがあります。体外受精で採卵する時に3.0cm以上の卵胞には卵子が入っていないことが多いのです。大きければよいという訳ではありません。


●上画像:超音波による卵胞像

卵胞径は卵胞の成熟度を調べることになります。いくら良い卵子が入っていたとしても、それが成熟していなければ良い排卵をしないし、妊娠しません。主席卵胞最大径の適正測定日は排卵直前で正常値は1.6〜3.0cmです。ただし、何cmになったら排卵するかは決まっていません。1.6cmになったらいつ排卵しても不思議ではないと考えた方がよいでしょう。もう一度、卵の検査の正常値を確認しておきましょう。

エストラジオール(黄身:100-500pg/ml;1個あたり)


主席卵胞最大径(白身:1.6-3.0cm)


プロゲステロン(殻:15-30ng/ml;1個あたり)



●通信簿


●不妊症・不育症検査ノート

”通信簿”的思考は体外受精においても大切です。例えば、良好胚をETしたにも拘わらず、妊娠しなかった場合は、着床に問題があると考えたほうが良いでしょう。体外受精は受精の治療ですから、この後、着床因子(不育症因子)の検査をなおざりにして体外受精を続行したとしても、同じ結果をくり返すことになるでしょう。



●上:受精/分割(前核期・2分割・4分割・8分割)

『道草』不妊症の最初の治療として「タイミング法」が重要視されています。適正な時期に性交を行うことです。このため排卵日にこだわりが強くなります。最近では下垂体から分泌される排卵を誘導するホルモンであるLHを尿で簡単に測定できるようになりました。

しかし、私は排卵日のこだわりには賛成できません。ストレスが原因になってかえって妊娠しにくくなるのではないかと考えています。「排卵日不妊症」になってしまいます。また排卵日にこだわると”卵の質”という問題がおろそかにされがちになります。

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