基礎知識>不妊症
はじめに
検査
不妊症の治療(原因から治療法を)
各種不妊症の治療
子宮内膜症
付記 子宮内膜症
不妊症・不育症の診療で子宮内膜症が大きな問題になってきました。
子宮内膜症は子宮内膜が癌が転位するように他臓器に移動して、月経の度に出血をくり返すことが原因で発症する卵胞ホルモン依存性の腫瘍性疾患です。最近になって環境ホルモンが病因である可能性が高まっています。発生する部位で病名が異なります。代表的なものに至急に発生する子宮腺筋症、卵巣に発生するチョコレート嚢腫、腹膜卵管に発生する癒着があります。
![]() ■癒着、チョコレート嚢腫 |
注目度が高いため生理痛だけで本症と診断され、即Gn-RHa製剤(スプレキュア、ナサニール、リュープリン)が濫用される風潮が高まっています。本症が不妊症で問題になるのは、基本的には卵管が侵された場合です。子宮腺筋症、チョコレート嚢腫があるから即、不妊症ということにはなりません。
また、Gn-RHa製剤は無月経にして一時的に病勢をとめる薬物で、中止すれば数カ月もしないうちにもとに戻り、決して治癒することはありません。さらに、本療法中に妊娠することはありません。また治療中は卵胞ホルモンの値が更年期婦人と同じレベルになってしまうので「ほてり」「手足のしびれ」「不眠」「肩こり」等の更年期障害の症状が発現したり骨塩量が減少するなど女としての老化現象が起きます。このため健康保険では6ヶ月以上連続で治療することができません。この点、漢方薬は妊孕性を保持したまま本症に有効性を発揮しますので、Gn-RHa製剤より優れた治療方法といえるでしょう。
| ● まとめ ● 生理痛だけで子宮内膜症と考えてはいけない。 子宮内膜症が不妊の原因になるのは卵管が侵された場合である。 Gn-RHa製剤で子宮内膜症は治癒しない。 子宮内膜症のファーストチョイスは随証漢方療法である。 |


