不育症・不妊症・未婚生理不順・AIDを専門とする、大阪市中央区の婦人科『カノクリニック・かのクリニック』

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元祖ステップアップ療法(通信簿療法)

※本療法には当クリニック出版の「通信簿」が必要です。御希望の場合は郵送致します。

通信簿

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通信簿の中身

 私が考案した治療法です。治療が適応を無視しているタイミング,ステップアップの問題点を解決した正しいステップアップ療法です。
 通常のステップアップ療法はタイミング療法,人工授精(AIH),体外受精(IVF)ですが,それらは男性因子,卵管因子の治療をステップアップするもので,通信簿の①,⑨,⑩が適応であり,それ以外の項目の治療にはなりません。したがって不妊症の原因全てをカバーする真のステップアップ療法ではありません。これに対して通信簿ステップアップ療法は全ての項目に適応しています。元祖,正統派ステップアップ療法といえるでしょう。
 各項目のステップアップ療法は以下の通りです。なお,④,⑤,⑥には▲はなく,⑨は○,,▲,×の五段階評価です。

① 通水:○;60mmH2O 未満,▲;60mmH2O 以上80mmH2O 未満,×;80mmH2O 以上(200mmH2O で両側閉塞)。
 ▲までは月一回通水,×は月2回行なって改善しない場合は子宮卵管造影(HSG)を行なう。卵管采部癒着(PFA),卵管閉塞が認められた場合は月2回最長6ヶ月通水を行ない,HSG を再施行し,改善が認められない場合は体外受精(IVF)の適応と診断します。

② プロラクチン:○;29.3ng/ml 未満,メトクロプミド負荷テスト30分後480ng/ml 未満,×:29.3ng/ml 以上またはメトクロプミド負荷テスト480ng/ml 以上。  本検査は毎月行なう必要はありません。
 軽症の場合は芍薬甘草湯療法を行ない,無効例や30ng/ml 以上ではテルグリド製剤(テルロン,テルグリド)を一日一錠を夕食後に妊娠成立まで内服する。正常値に下がらない場合は増量する。

③ 排卵日:○;13日以降,▲:12日,×:11日以前。
 ▲,×の場合はまず月経開始日から芍薬甘草湯療法を行ないます。3ヶ月行なって○にならない場合は無効と判定してGnRHa-hMG 療法を行ないます。本療法でhMG を大量に注射して卵胞が発育しない場合は優良卵子枯渇と診断します。

④ エストラジオール値:○;100pg/ml 以上,×;100pg/ml 未満。
 八綱・気・血・水弁証法による漢方随証療法をファーストチョイスとします。3ヶ月行なって○にならない場合はhMG 製剤を併用します。大量療法を行なっても○にならない場合はクロミッド(セロフェン)を併用します。これでも○にならない場合は優良卵子枯渇(早発閉経)と診断します。尚,当院ではクロミッドには子宮内膜菲薄化作用,頸管粘液減少作用といった抗妊孕作用があるため原則としてhMG の補助薬として投与しています。

⑤ 卵胞数:○;20個未満,×;20個以上(多嚢胞卵巣)。
 ×の場合でも排卵周期の場合は治療の必要はありません。無排卵の場合は芍薬甘草湯療法をファーストチョイスにします。3ヶ月行なっても排卵周期にならない場合はhMG-hCG 療法を行ないます。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の注意が必要です。

⑥ 主席卵胞最大径:○;1.6cm 以上,×;1.6cm 未満。
 治療法は基本的には④と同じですが,最終的にはGnRHa-hMG 療法を行ないます。ただし④と同時に○にならないといけません。

⑦ 子宮内膜厚:○;5mm以上,▲;4.9~4.0mm,×;4mm 未満(中心からの厚さ)。
 八綱・気・血・水弁証法による漢方随証療法をファーストチョイスとします。一時無効であればバイアグラ腟剤療法を行ないましたが,有効性は顕著ではないので最近はあまり行なっていません。次はhMG 療法を行ないます。これでも無効な場合はGnRHa-hMG 療法を行ないます。なお,広く行なわれているプレマリンによる卵胞ホルモン補充療法療法は効果が期待できないばかりか,卵胞発育を抑制するので,私は行いません。

⑧ 頸管粘液量:○;0.15ml 以上,▲;0.10ml,×;0.05ml 以下。
 基本的に⑦と同じです。なお,エストリール療法は子宮内膜に対するプレマリンと同じで百害あって一利なしです。

⑨ ヒューナーテスト:400倍検鏡の運動精子数で評価します。○;5個以上,;3~4個,;2個以下,▲;運動精子なし,×;精子なし (精子は生物ではないので“匹”ではなく“個”が正しい表現です)。,▲,×には夫の造精機能改善治療(詳細は「男性不妊症」に記載)を行ないます。⑧が○でありながら○,に改善が認められない場合は人工授精(AIH),×の場合は体外受精(IVF)の適応になります。

⑩ 運動精子数:○;3500x104/ml 以上,▲;3499~2000x104/ml,×;1999x104/ml 以下。
 まず造精機能を改善する治療を行ないます。治療にも関わらず▲の場合は人工授精(AIH),×の場合は体外受精(IVF)の適応になります。1000x104/ml 未満の場合は顕微授精(ICSI)の適応です。

⑪ プロゲステロン値;○;15ng/ml 以上,▲;14~10ng/ml,×;10ng/ml 未満。

 八綱・気・血・水弁証法による随証漢方療法をファーストチョイスとします。改善が認められない場合は黄体ホルモン製剤(デュファストンがよいでしょう)による黄体ホルモン補充療法を行なうかhCG 療法を行ないます。これでも改善が認められない場合は黄体径(卵胞径)を大きくするためにGnRHa-hMG-hCG 療法を行なうことになります。
 通信簿的思考は体外受精でも重要です。例えば,良好胚をET したにも拘わらず,妊娠しなかった場合は,着床に問題があると考えるべきでしょう。体外受精は受精の治療ですから,着床因子(不育症因子)の検査をなおざりにして体外受精を続行したとしても,同じ結果をくり返すだけです。

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