基礎知識>体外受精
適応
体外受精(IVF-ET)について,みなさんは究極の不妊治療と考えているでしょう。バブル時代の「金さえかければなんとかなる」との誤った考え方がデフレの今の時代にも妖怪のごとく生き残っているのです。不妊専門施設にしても保険の適応にならない自由診療(各施設が自由に治療費を設定できる)は,利益が上がるため,体外受精に誘導する傾向があり,インターネットによる宣伝も過熱気味です。しかし,体外受精はもともと卵管不妊症の為に開発された技術なのです。最近では重症男性不妊症に運用されることが多くなっています。つまり,卵管が正常で御主人の精子が正常な場合は体外受精をする必要はないのです。もし行ったとしてもその妊娠率は自然妊娠のそれを凌駕する事はありません。リスクとコストが高いだけ損をする事になります。
卵管性不妊症と男性不妊症以外でも体外受精をする価値がある不妊症があります。女性の加齢の為卵胞内に良い卵がないか,あるいは無い可能性が高いケースです。卵子の質や存在は超音波による卵胞径とエストラジオール(E2)で推測可能ですが,仮にそれらの結果が良くても優良卵子が存在しない場合があります。このような場合は検査の目的で行こなわれます。いずれにしても,全ての不妊症に対応できる唯一で究極な治療法は存在しないのです。ギリシャ時代の数学者ユークリッドは「幾何学に王道はない」と言いましたが,「不妊症に王道はない」のです。より自然に近い適応に従った地道な治療が最も安全で安価で,そしてもっとも近道なのです。
加齢によって卵巣の優良原子卵胞が枯渇してしまった場合は,IVF も無効です。IVF で卵を優良化することはできません。もちろん漢方治療も無効です。

